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離婚相談のよくあるご質問

離婚相談のよくあるご質問 目次

質問1 借金も財産分与の対象になりますか。

結婚後にお互いの日常生活のためにした借金(例えば、住宅ローンや自動車ローン、医療費や教育費)は財産分与の対象となります。

もっとも、ギャンブルや遊興費のための借入れは、日常生活とは関係がないため、基本的に財産分与の対象にはなりません。

質問2 配偶者と別居中です。子どもは私と同居しているのですが、配偶者に子どもを会わせたくありません。どうすればよいですか?

別居中の親が子どもと会うことを面会交流といい、原則として面会交流は拒否できません。

裁判所の判断では、通常、「月1回以上の面会交流を許しなさい」という審判が下されます。「子どもに会わせたくない」という気持ちもわかりますが、子どもの健全な成長のためには、両親からの愛情を感じることが必要です。

また、面会交流の継続により、離婚後も親としての自覚を持ってもらい、それに伴って養育費もスムーズに支払われるという側面も期待できます。

裁判所において、面会交流が例外的に否定されるのは、子どもの虐待やDVがある場合、子どもが15歳以上で明確に面会を拒絶している場合、夫婦の対立が激しく面会交流の実施に困難が伴う場合などです。

あくまでも、面会交流によって子どもに悪影響が出るかを基礎にして面会交流の可否が判断されます。

質問3 離婚の際の慰謝料の相場はどれ位ですか。

慰謝料の金額は、結婚期間、未成熟子の有無、有責性の程度、相手方の資力等の諸要素を考慮して決められますので一概にはいえませんが、裁判で認められる慰謝料は100万円〜500万円位のケースが多いです。東京家庭裁判所の出した慰謝料の認容額の傾向は以下のようになっています。

慰謝料 100万円以下:28%、100万円~200万円:26%、200万円~300万円:24%、300万円~500万円:15%、500万円~1000万円:2%、1000万円以上:2%。

つまり、東京家庭裁判所に慰謝料請求をして、100万円以下の額しか認められなかった方が28%、100万円から300万円の間で認められた方が50%、300万円から500万円の間で認められた方が15%、それ以上認められた方が4%ということです。意外に少額であると思われるかもしれませんが、現在の裁判所の実情は上記のようになっています。しかし、500万円以上、また、1000万円以上認められる方がいるのも事実です。

質問4 不倫の相手方にも慰謝料請求をできるでしょうか。

不倫によって離婚に至った場合、不倫をされた夫あるいは妻は、不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。

不倫によって離婚に至らなかった場合であっても、夫婦関係が危機にさらされて精神的損害を負ったようなときには、やはり不倫をされた夫あるいは妻は、不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。

もっとも、不倫の際にすでに夫婦関係が破綻していたような場合について、不倫相手に対する慰謝料請求は、通常認められないと考えられています。

夫婦関係が破綻していたような場合とは、夫婦関係が悪くなって別居に至ったようなとき、同居していても、夫婦が口を聞かず、寝室も別々にするなど家庭内別居の状態にあるときなどです。

ただし、別居しても修復の可能性があるような場合には、まだ夫婦関係が破綻していないとされる可能性があります。

このように、不倫相手への慰謝料請求においては、不倫をした際に、夫婦関係が既に破綻していたかどうかが重要となってきます。

質問5 養育費を支払うべき期間はいつからいつまででしょうか。

養育費の支払義務の開始時期は、調停を申し立てられたときからとするのが一般的です。終了時期は、子が成人に達するまで、すなわち、お子様が満20歳を迎える誕生日の属する月までとされるのが一般的ですが、両親の学歴や経済力を考慮してお子様が大学に進学する蓋然性が高い場合には、大学を卒業するまでとされることもあります。

質問6 現在夫と別居中ですが、このような状態でも生活費を夫からもらうことはできるのでしょうか。

夫婦には、お互いの生活レベルが同等になるように助け合う「生活保持義務」があり、婚姻から生ずる費用を、収入その他の一切の事情を考慮して分担する義務があります。婚姻から生ずる費用というのは日常の生活費のことで、具体的には衣食住の費用、医療費、子供の教育費や養育費、交際費等が含まれます。別居中でも夫婦の婚姻が継続している限り、婚姻費用の分担義務が生じますので、ご主人が生活費を渡さない場合は、生活費を渡すよう求めることができます。

質問7 子供を引き取ることになったが養育費はどう決めるのか

養育費とは子供に対する親の扶養料のことで、夫婦にとってはその分担の取決めということになります。

子供の扶養、特に未成年の子供の扶養は、親の生活にふさわしい生活をさせるという性質のもので、最低限の生活を保障すればいいというものではありません。

したがって、各家庭の生活レベルにもよるので、一律にいくらという基準はありません。ただ、今では裁判所が作った算定表ができており、おおよその目安があります。

子供が1人で専業主婦の妻がサラリーマンの夫に養育費を請求するケースでおおざっぱにいうと、夫の年収が175万~375万までが月額2万~4万、550万までが月額4万~6万、750万までが月額6万~8万となっています(東京家裁ホームページより)。

養育費について協議が整わない場合は、養育費だけについて家庭裁判所の調停や審判によることもできます。

質問8 離婚の際に取り決めた支払いを守ってくれないがどうしたらいいか

協議離婚で取り決めた財産分与・慰謝料・養育費の額について相手方が支払ってくれない場合も家庭裁判所に調停を申立てることができます。

この場合、額について取り決めができているので、実際の支払い方法を現状に合ったように決め直したり、場合によっては、額を変更したりすることになります。家庭裁判所で決まったことは、家庭裁判所から履行の勧告や命令を出してもらえます。これらに従わない場合は過料の制裁もありますし、強制執行もできます。特に養育費の強制執行については、将来分もまとめて請求できるという特例があり、手厚く保護されています。

他には、公正証書を作ったり、訴訟により判決をとって、通常の裁判手続きによって、強制執行をすることもできます。

質問9 妻の連れ子を養子にした後、離婚した場合、その子に養育費を支払う必要がありますか。

養育費は、法律的に親子関係がある場合に、相互扶助義務の一つとして発生するものです。

親子関係は通常の場合でも、養親子関係でも同じであり、養親は養子に養育費を支払う必要があります。

そして、連れ子のある女性と離婚しただけでは連れ子との養子縁組は解消されないため、引き続き、養育費を支払わなければなりません。

ただし、養子縁組は法律によって特に親子関係を認める制度ですから、養子と離縁すればその後の養育費の支払いを免れることができます。離縁のための手続きとしては、協議離縁・調停離縁・裁判離縁の3つがあります。まず協議離縁する場合、養子が15歳未満であると、連れ子の母である女性が連れ子に代わって、質問者と協議することになります。この協議で話がつかなければ、調停を家庭裁判所に申立てることになり、それでも合意できなければ、裁判へと進みます。この手続きの流れは離婚と同様です。

ただし、裁判離縁は以下の離縁原因が法定されており、これを満たしていないと離縁がなかなか認められません。

  • ① 他の一方から悪意で遺棄されたとき
  • ② 他の一方の生死が3年以上不明のとき
  • ③ その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき

未成年養子に対する離縁請求については、養子の将来の福祉や養育の観点から慎重な判断がされる必要もあります。連れ子ということですから、母親と離婚した以上は、今後、子との間に正常な親子関係が構築できるとはあまり考えられませんので、「その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき」と該当すると判断される場合が多いと思いますが、前記したような観点から離縁を認めなかった裁判例もありますので、まずは協議離縁によることが良いでしょう。

質問10 離婚した元夫との間で、養育費を請求しないとの合意をしてしまいましたが、養育費を請求することはできますか

離婚する際、養育費の請求をしないという取り決めをすることがあり、これを養育費不請求の合意といいます。

養育費は、子どもの監護に必要な費用を父親と母親でどのように分担するかの問題ですので一方がすべてを負担して他方の親には請求しないということも有効な合意です。

離婚して別れた後に、お金のことでまた争いたくない、もう二度と関わりを持ちたくないという場合や、お互いに養育費の必要性を感じないというような場合に支払わない、受け取らない、請求しないというような方法を選ぶことも可能なのです。

しかし、養育費の請求とは、未成熟子の監護者である親から他方の親に対して、子の養育に必要な費用を請求することです。つまり、養育費は監護親から他方の親に対する請求であり、養育費不請求の合意というのも、父親と母親の合意にすぎないということです。

民法では子供から親に対する生活費を請求する権利が認められており、これを扶養料請求権といいます。そして、民法881条は、扶養料請求権について、「扶養を受ける権利は、処分することができない。」と定めています。つまり、子供が親に扶養料を請求する権利は、親同士の合意によっても奪えないということになります。

したがって、たとえ親同士で養育費不請求の合意をした場合でも、子供は、親に対して扶養料を請求でき、また未成年の子の請求は、法定代理人である親が代理して行うことになるので、監護親は、子供を代理して、監護していない親に対する扶養料を請求できることになります。

結局、養育費不請求の合意をした場合には養育費としては請求できないが、扶養料請求という形ではいつでも請求ができるということになります。

裁判例においても、父母間の不請求合意は扶養料の額を定める斟酌すべき事由の一つとはなりますが、養育費不請求の合意がなされたことをもって、扶養料を認めないとはしていません。

質問11 夫と離婚後、旧姓に戻りましたが、親権者が私である子供の戸籍や姓はどうなりますか。また私の戸籍に入れるにはどうすればいいですか。

民法では婚姻した夫婦は同じ氏を称するとされていますので、婚姻に際して、夫か妻の一方が他方の氏に改めて、新戸籍に入ることになります。日本では夫の氏を称する夫婦が95%といわれています。そして夫婦が離婚すると、婚姻によって氏を改めた者は、婚姻前の氏に戻り、新しく戸籍が編製されます。次に婚姻中に生まれた子供は父母の氏を称し、父母の戸籍に入ります。

しかし、父母が離婚しても、子供の戸籍・氏に動きはありません。つまり、母親は戸籍から出て行くが、子供はそのまま戸籍に残り、以前の氏を称します。これは親権者が母親になっても同じです。

このように、母親が親権者となるが子供と氏が異なる場合、生活上非常に不便です。そのため、この場合には家庭裁判所の許可を得て、市区町村の戸籍課に子の氏の変更の届出ができます。そうすれば、子供は母の戸籍に入り、母の氏を称することができます。

戸籍は氏を同じくする夫婦と子供が1つの単位とされているため、夫婦が離婚して氏が変わると戸籍も2つになり、子の氏の変更の手続きが必要となる取扱いとなっているわけです。

家庭裁判所の許可を得る申立ては、子が15歳以上ならば子自身が行い、15歳未満ならば、親権者である母が行います。

質問12 再婚によって養育費の額は減額しますか。

調停や審判で決められた養育費の額を変更できるのは、調停や審判の後に養育費算定の基礎となる事情の変更があった場合とされています。

事情の変更にあたるものとしては、例えば、養育費の支払い義務者と養育費の請求者の収入の変化や、双方の家族構成の変動が考えられます。

夫と妻が離婚して、妻が子の親権者となった場合に、別れた夫が再婚すると、再婚後の新しい家族の生活を保持する義務が生じます。この場合には、これまでの養育費算定の基礎となる事情の変化があったと認められ、養育費の減額が認められる可能性があります。

反対に、妻が子を連れて再婚し、子が再婚相手の養子となると、再婚相手が子の扶養義務を負うため、この場合も養育費の減額または免除が認められる可能性があります。

ただし、再婚相手が無収入であれば、別れた夫が引き続き養育費を負担します。子が再婚相手の養子とならない場合には、再婚相手は扶養義務を負わず別れた夫が養育費を負担しますが、子の生活費などを再婚相手が事実上負担しているならば、事情の変更にあたり、養育費の減額が認められる可能性があります。

質問13 退職金は財産分与の対象になりますか。

財産分与の対象となる場合

一般的には、将来支給される蓋然性が高ければ婚姻後別居に至るまでの期間に対応する部分については清算的財産分与の対象とすべきとされています。

将来支給される蓋然性が高いというのは、勤務先が官公庁であったり、退職予定日が数年以内であるため倒産や懲戒解雇等の不測の事態が起きる可能性が小さい場合をいうものとされています。

支払方法

次に、支払方法については、離婚時の一括払いが前提とされることが多いですが、多くの場合には、他に分与すべき財産がありますので、退職金のうち結婚期間に対応する部分を算定した上で、それを他の夫婦共有財産と合算した上で分与額を定め、現時点で保有している夫婦共有財産の中から支払をする処理をします。

もっとも、退職金以外に分与可能な財産がない場合には、退職金が支給された際に財産分与対象部分の2分の1を支払うという処理をされる場合もあります。

質問14 当事者間で年金分割をしないという合意がされた場合、どうなりますか。

年金分割請求権は、厚生労働大臣等に対する公法上の請求権ですので、その行使を当事者間の合意により直接制約することはできません。

したがって、「年金分割をしない」という合意をしても,年金分割請求権の行使を制約することはできません。

しかし、「年金分割事件の申立てをしない」という合意であれば、手続に関する合意の一つとして有効ですので、当事者の意思に反して年金分割がされることは防げます。

ただし、平成20年4月1日以降の部分について分割するいわゆる3号分割は、被扶養配偶者から年金分割請求をすれば、当然に2分の1の割合で分割され、当事者の合意や審判または調停を要しません。

したがって、3号分割については、「年金分割をしない」という合意や「年金分割事件の申立てをしない」という合意をしても、年金分割請求権の行使を制約することはできません。

質問15 離婚費用の算定において、給与所得者と事業所得両方がある場合には、算定表はどう見れば良いですか。

必ずこうすべきという考え方があるわけではありませんが、よく用いられる方法は、収入を給与所得額と自営所得額のいずれかにそろえるという方法です。

つまり、自営所得額にそろえる場合には、当事者の給与所得額に対応する算定表の自営業者の収入額を自営所得額と合算し、これを当事者の自営業者としての収入額として、算定表を適用するということです。

たとえば、給与所得が500万円、自営所得が200万円であれば、算定表によると、給与所得500万円に対応する自営所得は363万円ですから、これを本来の自営所得である200万円と合算します。

そこで、この当事者には、自営所得が563万円であるとして、算定表を適用するということになります。もちろん、逆に、給与所得額にそろえることもできます。

質問16 夫の不貞行為における夫婦間の示談ないし離婚調停において、不貞の相手方に対する慰謝料請求をしないという合意をすることはできますか。

そのような合意をすること自体は可能です。
もっとも、このような合意をしたとしても、その合意や調停は夫婦だけが当事者であり、当事者以外を拘束することはありませんから、妻は、不貞行為に相手方に対して慰謝料請求をすることは可能です。

しかし、その半面、夫から妻に対し、妻が合意内容を守らなかったということで、合意違反による損害賠償請求をすることも理論的には可能です。

ただし、この場合に認められる額というのは必ずしも高額にはならないことには留意する必要があります。

質問17 離婚後、親権者である父または母が死亡した場合、子の親権者は誰になりますか。

家裁実務では、ご質問のような場合、生存している母または父が当然に親権者になるわけではありません。この場合に、生存している母または父が親権者となるためには、家裁での親権者を定める審判(親権者の指定または変更)が必要であるとしています。

また、これとは別に、母または父を子の未成年者後見人と定める審判がされれば、親権者ではありませんが、後見人として子の身上監護を行い、法定代理人となることもできます。

つまり、生存している母または父は、親権者の指定または変更の審判の申立てか、未成年者後見人選任の審判の申立てをする必要があるということです。


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